長年の間、日本の与党であった自民党。野党になってしまいましたが、怪我の巧妙でしょうか、これまでの自分を反省し、民主党の欠点を注視し、展望を立てはじめています。
>自由主義は個人の自由、市場競争を重視する効率性抜群のイズムであるが、「自生的秩序」という個人の自律、市場を支える規範(法律、道徳律、国家・地域、家族という共同体の枠組)を欠いては弱肉強食のイズムとなる。小泉改革が個人の自律、市場を支える規範への配慮を欠いたと保守主義者からも批判されたのはこの点にある。安倍内閣の教育改革は、保守主義からの一つの提案であった。
一方で、個人の自由、市場競争を容認しつつも、個人の自律、市場を支える規範よりも、政府を形成するもの(エリート)の判断による政府の介入を弱肉強食への対応として重視することにより、弱者の権利・結果平等を護ろうとするのがリベラル思想である。
保守主義は「自生的秩序」を重視し、リベラルは政府介入を是とする。前者は政府の関与を最小限とする均衡財政、後者は関与の範囲の大きい赤字財政となる。
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/
これから自民は保守主義を貫こうとしているようですので、均衡財政をしようというのでしょうか。しかし、それでは今日の不況に対応できません。けれど、次のように両者を融合するのが、自民の基本姿勢のようです。
>昭和30年11月15日の立党宣言以降、累次に亙り綱領を改訂し、平成17年11月22日に最近時点の新綱領を決定している。東西対決に対応した55年体制から今日まで、歴史の変遷に応じ、各文書の強調点は変わっている。
一貫して流れる思想は、自由主義と民主制を基本とする姿勢である。その前提で、「公共の福祉を規範とし」、「権利とともに義務を」と公益重視を述べ、「日本の歴史と伝統を守る」と、積みあげてきた先人への信頼を表現する保守主義的側面のある一方、個人の自由と尊厳をも重視するとのリベラル的記述もある。
リベラルに偏重したリベラル政党と違い、中庸をいく考え方のようです。そのことは大変評価できますが、記事にあるように、小泉政権時代は、弱肉強食に偏りすぎました。今、野党となった自民党には、党の綱領をもう一度読み返し、真の保守政治とは何か、また真の国民政党とは何かをしっかりと反省して、さらに立派な政党に昇華してもらいたいと思います。